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障害者雇用はデメリットしかないって本当?【再発の方が後悔します】

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障害者雇用はデメリットしかないって本当?【再発の方が後悔します】
  • 障害者雇用はデメリットしかない。やめとけ。
  • 障害者枠だと惨めな思いするよ。
  • 後悔するから一般雇用にしときな。

こんな意見を耳にしたことありませんか?

それもそのはず。

障害者雇用にデメリットがないとは言えませんが、悪い情報だけが独り歩きしています。

具体的には……
  • 年収が安い
  • 非正規雇用ばかり
  • いるだけでお金もらえるなんてずるい

こうした意見が多いこと相まって「無理をしてでも一般雇用を選ぶ人」をたくさん見てきました。

しかし、無理をして一般雇用を選んだ人の多くが再発し、後悔しています。

そんなぼくは、精神障害3級の当事者。

うつ病で休職した経験に基づいて、就職や転職、生き方に関するブログを書いています。

この記事を書いた人

この記事では、当事者の意見や就労移行支援事業所へのインタビューした経験を踏まえながら、障害者雇用のメリット・デメリット、一般雇用との違いについて解説します。

一般雇用と障害者雇用で迷っている人は、ぜひ最後まで読んでみてください!

一般雇用と比較してみた

障害者雇用一般雇用
雇用形態・契約社員
・正社員(増加傾向)
・正社員
・契約社員
・派遣社員 など
職業・事務職:6割
・エンジニア:3割
幅広く選べる
年収300万円前後
(都心部でフルタイムの場合)
平均414万円
(2024年2月現在)
出世管理職は難しい頑張り次第で
管理職になれる
働き方障害や特性に
合わせて働ける
得意・不得意に
関係なく働く
残業時間ほとんど0時間企業によるが
たいていはある
福利厚生大企業が多いため
充実している
企業による
休日通院日や体調に
合わせて休める
入社1年目は
有給がほぼない
結論年収は低いが
働きやすい
年収は高いが
再発リスクあり!
障害者雇用と一般雇用の比較

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目次

精神障害者雇用はデメリットしかない?よく言われる3つの原因

精神障害者雇用はデメリットしかない?よく言われる3つの原因

まず、精神障害者雇用がデメリットしかないと言われる3つの原因を紹介します。

  • 年収が低い
  • 業務内容が限られる
  • 単調な仕事になりやすい

デメリット①:年収が低い

多くの人がデメリットとして挙げるのは「年収の低さ」です。

実際、ぼくが就労移行支援4社に取材してわかったのは「一般雇用の100万円ほど年収が下がる」こと。
(前の会社の年収が低い場合は例外)

しかも、これは週40時間働いたときの話で、フルタイムではなくパートや時短勤務だった場合はさらに下がると考えていいでしょう。

じんと

車や家のローンがある人は「一般雇用にせざるを得ないな……」と思う人が多いですね。

デメリット②:業務内容が限られる

障害者雇用の求人は、業務内容が限られています。

実際、ぼくが障害者向けの転職エージェント「dodaチャレンジ」に取材してわかったのは「事務職が全体の6割」。

軽作業や専門職の求人もありますが、事務職より圧倒的に少ないです。

実は、ぼくもマーケティングやWebライターの障害者雇用を探していた時期がありましたが、全く求人がありませんでした。

加えて、事務職は一般雇用でも年収が低く、dodaが2023年12月に公開した調査結果によれば平均年収が343万円。
(参考:年収の高い職業は?平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】)

日本の年収中央値は433万円なことからも、お分かりいただけるはずです。

dodaチャレンジの担当者によれば、「2024年時点ではエンジニア職の求人も約3割ある」とのことです。
パソコンが得意な人やプログラミングができる人は、エンジニアの就職もぜひ検討しましょう!

デメリット③:単調な仕事になりやすい

3つ目は「単調な仕事になりやすい」ことです。

悲しいかな「障害者雇用の人にどんな仕事を任せていいかわからない」と考える上司はまだまだ多いです。

このことから誰にでもできる仕事しか任されず、よっぽどできる人でないと出世コースからは外されます。

また、「再発や短期離職の不安が強く、戦力に含めていいかわからない」と考える人もいます。

やりがいのない仕事を続けるのもストレスで、再発につながると個人的には思いますが……。

デメリットしかないはダウト!障害者雇用で働くメリット

デメリットしかないはダウト!障害者雇用で働くメリット

ここまで見ると、障害者雇用はデメリットしかないと感じるかもしれません。

一方で、それ以上に多いのが「メリット」です。

  • 特性や症状について配慮がある
  • 大企業のグループで働ける
  • 正社員雇用も増えてきている
  • 通院や体調に合わせて無理なく社会復帰できる

そしてこれらをひっくるめた結果、「再発リスクが低い」という最強のメリットがあります。

デメリットと合わせて、詳しく見ていきましょう。

メリット①:特性や症状について配慮がある

障害者雇用で働くと、特性や症状に対する配慮が受けられます。
(専門用語では「合理的配慮」といいます)

これは、人生を長い目で見て考えれば圧倒的にプラス要素です。

例えば、あなたが以下のような状況だったとしましょう。

  • 口調がきつい人相手だと、しんどくなってしまう
  • イレギュラーな出来事に弱い

このとき、一般雇用だと上司に言い出しづらいのはもちろんのこと

  • なんでできないの?
  • これやってって言ったよね?

と言うような上司にあたる可能性も否定できません。

しかし、障害者雇用は「障害や特性があるというのが前提」。

現場のメンバーと相談したり、負担にならないよう配慮してもらえたりすることから、安定して長く働けることが多いです。

ただし、以下の点を自分で理解し、面接で伝えなければ採用されません。

  • 自分はどんな障害特性があるのか
  • 特性に対して自分で行っている工夫は何か
  • どんな配慮を希望するのか

これらが思いつかない場合は、転職エージェントや就労移行支援事業所を活用しながら、自分や障害への理解深めましょう。

メリット②:大企業のグループで働ける

障害者雇用のメリットの1つに「大企業のグループで働ける」ということがあります。

その背景にあるのが「障害者雇用促進法」という法律です。

障害者雇用促進法では「全従業員の2.5%以上が障害者雇用(2024年4月現在)」と定められています。

つまり、40人以上の企業は障害者枠を設けなければなりません。

2026年には2.7%まで引き上げられるとのことで、今後さらに障害者雇用の求人が増えると考えられます。
(参照元:厚生労働省ホームページ

とはいえ、障害者を採用する人件費や広告費、教育にかける時間などの余裕がない中小企業はたくさん。

その結果、法令順守が大切にし、お金や人材にも余裕のある大企業のほうが多い傾向にあります。

また、大企業のなかには障害者が安定して働くために設立された「特例子会社」を設けているところもあります。

特例子会社で働く場合も、福利厚生は親会社と同じものを受けられるので、福利厚生を重視する人は選択肢に入れましょう。

③:正社員雇用が増えてきている

障害者雇用といえば、契約社員やアルバイトといったイメージを持つ方もいるでしょう。

しかし、最近では正社員の求人も増えてきています。

実際、dodaチャレンジに話をうかがったところ、「障害者雇用と一般雇用の求人数は半々」とのこと。

加えて、契約社員と書かれていても「高い確率で正社員に昇格できる」という求人が多いという話もうかがいました。

じんと

1年間継続して働き、面談をおこなったうえで企業とマッチングしたら、そのまま正社員に上がれる。こんなケースが多いそうです。

④:通院や体調に合わせて無理なく働ける

社会復帰するうえで欠かせないのは「通院」と「体調管理」。

特に精神障害や発達障害に悩む人は、以下のことを気をつけなければなりません。

  • 転職直後は、仕事や環境に慣れるために負担がかかる
  • 以前の職場でのパワハラや社内いじめといった「トラウマ」がよみがえる
  • うつ病や適応障害では体調の波があり、しんどくなる時期がくる

これらを知らずに一般雇用で働いたとき、怖いのが「再発」です。

厚生労働省の報告によれば、うつ病は再発率が60%と極めて高いもの。

そして2度目、3度目と再発を重ねるたびにその確率は上がります。

じんと

ぼくも再発したことあります。しかも、適応障害からうつ病に悪化しました。

再発を防ぐためにも、社会復帰後も定期的に通院することや、しんどいときに早めに休むことは大切。

一般雇用では半年ほど有給を取得できませんが、障害者雇用では通院での休みも配慮の1つとなりますからね。

最強のメリットが「再発しにくいこと」と最初にお伝えしたのが、おわかりいただけたのではないでしょうか。

障害者雇用の求人を探す3つの方法

障害者雇用の求人を探す3つの方法

最後に、障害者雇用の求人を探す3つの方法について紹介します。

  • ハローワーク
  • 転職エージェント
  • 就労移行支援事業所

方法①:ハローワーク

まずは「ハローワーク」です。

ハローワークで求人に応募するまでの流れ
  1. 最寄りのハローワークに行く
  2. 求職申込を行う
  3. 職業相談を受ける
  4. 求人を探し、応募する

ハローワークで求人を見つけるには、最初に求職申込を行う必要があります。

求職申込はWebでもできますが、1度出向いて相談を受けることがおすすめ。

というのも、ハローワークには「障害者専門窓口」があり、障害者の就職に詳しい支援員が特性を把握したうえで自分に合った求人を紹介してもらえるからです。

気になった方は、最寄りのハローワークに早速足を運びましょう。

方法②:転職エージェント

次に「転職エージェント」です。

転職エージェント経由で求人に応募するまでの流れ
  1. 会員登録を行う
  2. キャリアカウンセリングの日時を調整する
  3. キャリアカウンセリングを受ける
  4. 求人を紹介してもらう
  5. 良い求人があれば応募する

転職エージェントに登録すると、キャリアカウンセリングはもちろん「応募書類の添削」や「条件に合った求人の紹介」といったサポートを受けられます。

登録から入社まで無料で利用できるサービスが多いので、気になった方は1つ登録しましょう。

そんな転職エージェントにはさまざまありますが、障害者雇用の求人は「障害者雇用に特化したサービス」で多く取り扱われています。

主な転職エージェントを以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。

サービス名対象地域公開求人数
(2024年4月時点)
イチオシ
ポイント
doda
チャレンジ
全国約1,200件約4倍もの
非公開求人
DI
エージェント
首都圏
関西圏
約1,600件テレワークの
求人が多い
atGP
エージェント
首都圏
関西圏
名古屋
約1,200件書類選考のない
スカウトもある
リタリコ
仕事ナビ
全国約3,700件就労継続支援の
求人も検索可
マイナビ
パートナーズ紹介
首都圏
関西圏
約360件障害に詳しい
カウンセラーが
サポート
主な障害者向け転職エージェントの求人数
サービス名対象地域公開求人数
(2024年2月時点)
イチオシ
ポイント
doda
チャレンジ
全国約1,200件約4倍もの
非公開求人
DI
エージェント
首都圏
関西圏
約1,600件テレワークの
求人が多い
atGP
エージェント
首都圏
関西圏
名古屋
約1,200件書類選考のない
スカウトもある
リタリコ
仕事ナビ
全国約3,700件就労継続支援の
求人も検索可
マイナビ
パートナーズ
紹介
首都圏
関西圏
約360件障害に詳しい
カウンセラーが
サポート
主な障害者向け転職エージェントの求人数

より詳しい情報はこちら

③:就労移行支援事業所

最後に「就労移行支援事業所」です。

就労移行支援事業所とは、一般企業への就職を希望する人が必要なスキルやサポートを提供するサービスのこと。

原則最大2年間通所することができ、主に以下のようなスキルが身につきます。

  • 自分の障害特性への理解
  • ビジネスマナー(報連相・電話応対など)
  • パソコンスキル

また、「毎日通所する」という通勤練習にもつながるのも就労移行支援のメリット。

仕事から離れた期間が長い人や、障害への理解を深めたい人はぜひ活用しましょう。

主な就労移行支援事業所

サービス名所在地主なプログラムイチオシ
ポイント
atGP
ジョブトレ
・関東
・関西
・名古屋
・障害理解
・ストレス対処法
・パソコンスキル
・ビジネスマナー
・就職準備
障害特性別のコース
悩みを共有し合える
ミラトレ・関東
・関西
・名古屋
・疑似就労
・特別講座(月1)
・就職準備
事業所を会社に見立てた
実践的なプログラム
SAKURA
センター
・関東
・甲信越
・北陸
・福岡
・ビジネスマナー
・パソコンスキル
・軽作業
・就職準備
・生活スキル
ビジネススキルに加えて
生活スキルも学べる
ココルポート・関東
・関西
・名古屋
・福岡
・パソコン
・ビジネスマナー
・セルフマネジメント
・模擬就労
・就職準備
・運動
・リラクゼーション
運動やリラクゼーションなど
独自のプログラム多数
リタリコ
ワークス
四国以外の
全地域
・障害理解
・ビジネススキル
他200種類から選択
本人の希望に合わせた
プログラムで通所
サービス名所在地イチオシ
ポイント
atGP
ジョブトレ
・関東
・関西
・名古屋
障害特性別のコース
悩みを共有し合える
ミラトレ・関東
・関西
・名古屋
事業所を会社に見立てた
実践的なプログラム
SAKURA
センター
・関東
・甲信越
・北陸
・福岡
ビジネススキルに加えて
生活スキルも学べる
ココルポート・関東
・関西
・名古屋
・福岡
運動やリラクゼーションなど
独自のプログラム多数
リタリコ
ワークス
四国以外の
全地域
本人の希望に合わせた
プログラムで通所

より詳しい情報はこちら

まとめ:障害者雇用はデメリットばかりではない

まとめ:障害者雇用はデメリットばかりではない

本記事では、障害者雇用はデメリットしかないのかどうかについて、当事者が解説しました。

この記事のまとめ

障害者雇用はデメリットしかないと言われる理由

  • 年収が低い
  • 業務内容が限られる
  • 単調な仕事になりやすい

障害者雇用で働くメリット

  • 特性や症状について配慮がある
  • 大企業のグループで働ける
  • 正社員雇用も増えてきている
  • 通院や体調に合わせて無理なく社会復帰できる
  • 【重要】再発リスクが低い

障害者雇用の求人の探し方

  • ハローワーク
  • 転職エージェント
  • 就労移行支援

障害者雇用には年収が安いことや業務内容、職種が限られるといったデメリットはたしかにあります。

しかし「自分の障害や特性に合わせて無理なく働ける」というメリットの方が、圧倒的に大きいです。

何より精神障害や発達障害に悩む人が、1番気にかけておきたいのは「再発しない」こと。

地獄のようにしんどい日々を、もう1度味わいたくないですよね。

傷病手当金の制度が2022年から変わったとはいえ、再発してしまったら1年半が経過しもらえなくなる可能性も十分あります。

支給期間は、これまで支給を始めた日から起算して1年6カ月を超えない期間とされてきましたが、がん治療のように休職と復職を繰り返すケースも増えています。そこで、治療と仕事が両立できるよう、2022年1月からは、出勤に伴い不支給となった期間がある場合には、その分の期間を延長して傷病手当金の支給を受けられるようになります。

引用元:ツギノジダイ

社会復帰してから1年ほど働き、1度は完治したと認められる「社会的治癒」に当てはまればもらえるようになりますが、悲しいかな1年持たない人のほうが多いです。

ぼくも適応障害からの復職後、4ヶ月半で再発しました……。

定年が70歳になり「長く働くこと」が求められる今だからこそ、社会復帰の第一歩として障害者雇用も検討してみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

ではでは、今日も生きててえらい!

関連記事:【当事者が解説】うつ病から社会復帰するまでのロードマップ【完全版】

関連記事:【生きづらい】発達障害グレーゾーンが転職するときに見ておきたいポイントを当事者が解説

悩みを話せなくて困っているあなた、1度ぼくに話してみませんか?

  • 主に「うつ病からの社会復帰」や「今の仕事でいいのか?」といった悩みを解決
  • これまで100人以上の悩みを解決し、94.1%の方が満足
  • 「メンタル心理カウンセラー」資格保持

\そのモヤモヤ、スッキリに変えます/

障害者雇用はデメリットしかないって本当?【再発の方が後悔します】

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