うつからの社会復帰

【本当?】就労移行支援は意味ない?うつ病当事者が実態を紹介

【本当?】就労移行支援は意味ない?うつ病当事者が実態を紹介

就労移行支援って、行っても意味ないんじゃないの?

こんな疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。

結論から言いますと、「就労移行支援に行っても意味ない人がゼロ」とは言えません。

しかし、表立ってはいないだけで「就労移行支援に行く意味があった」と考えている人がほとんどです。

とはいえ

当事者

本当に1年かけて行く価値があるの?

というのが本音でしょう。

そこでこの記事では、atGPジョブトレ 大阪梅田の「うつ症状コース」と「発達障害コース」を担当する職員2名に、うつ病当事者のじんとがインタビューしてきました。

読み終わったころには、就労移行支援に行く意味がきっとわかるはずです。

筆者の自己紹介

自己紹介

じんと(@Jinto_Jibunpock

就労移行支援が意味ないと感じる人がいる理由3選

就労移行支援が意味ないと感じる人がいる理由3選

そもそも、就労移行支援が意味ないと感じる人がいるのはなぜでしょうか。

意味ないと感じる人が言う理由に多い、以下の3つを紹介します。

  • プログラムの内容が簡単すぎる
  • 就職はおろか仕事の紹介すらない
  • 給料がないし時間のムダ

理由①:プログラムの内容が簡単すぎる

1つ目は「プログラムの内容が簡単すぎる」ことです。

事業所によって細かい内容は異なりますが、以下のプログラムはよく取り入れられています。

  • 障害特性や症状の理解
  • パソコンスキル(Word、Excel等)
  • ビジネスマナーや報連相

たしかに、WordやExcelを使いこなせる人にとってはパソコンスキルのプログラムは退屈でしょうし、社会人経験が長い人だったらビジネスマナーや報連相はできるかもしれません。

しかし、就労移行支援には様々な障害や特性を持っている人がいますので、作業レベルにどうしても差が出てしまいます。

こればかりは仕方ないですし、自分のレベルに合った事業所を選ぶしか方法はありません。

また、就労移行支援の最終目標はもちろん「社会復帰」ですが、そもそも「週5日通勤できる」ことが大前提。

プログラムで何かを得ることももちろんですが、「週5日オフィスに行く訓練、というのが1番の基本」と考えることをおすすめします。

余談ですが、このブログで紹介した就労移行支援事業所以外で「事業所内で映画を見ていても怒られないところもある」という話も聞きました。

これはちょっと問題な気もします(あくまで個人の見解です)。

理由②:就職はおろか仕事の紹介すらない

2つ目は「就職はおろか仕事の紹介すらない」ことです。

後ほど詳しく紹介しますが、就労移行支援は3ヶ月や半年通って卒業できるわけではありません。

もちろんタイミングや景気、症状の重さなどによりますが、1年~1年半はかかると考えておくといいでしょう。

そのため、通所3か月で「求人がないから意味ない」というのは就職をあせりすぎです(家族のこともあるでしょうし、気持ちは死ぬほどわかります……!)。

あくまで『再発しないための準備期間』だと思って通いましょう。

また、通所し始めてから長いのに仕事の紹介がないというケースは、以下のどちらかであることがほとんど。

  • 就職先に求める希望条件が厳しすぎる
  • 自己理解ができていない

特に障害者雇用の選考では「自分の症状や特性、配慮してほしいこと」を面接官が納得できるように説明できなければいけません。

当然、症状や特性に関する質問をたくさんされますし、対応できなければ『不採用』となってしまいます。

そのため、自己理解が不十分だと「まだ就職できるレベルに達していない」という理由から紹介できないと判断されることも。

余談ですが、障害者雇用の転職エージェントより、就労移行支援の方が求人数が多いとの声も(理由は後ほどインタビューで紹介)。

実際ぼくも、dodaチャレンジのエージェント担当から、一旦パーソルチャレンジ・ミラトレに通うことを勧められたことがあります。

理由③:給料がないし時間のムダ

3つ目は「給料がないし時間のムダ」ということです。

就労移行支援事業所は「一般企業に就職するためのサポート機関」で、働いているわけではありません。

※A型、B型といった『就労継続支援事業所』は「働く場所の提供が目的」なのでお金がもらえます。しかし、一般企業への就職はかなり難しいです。

そのため、給料は出ませんし交通費も自腹ですので、自宅から遠い場所だと金銭的に厳しい事も多いでしょう。

※一部実習では給料がもらえることもあります。1度支援員に確認してみましょう。

一方で、前年度の所得によっては就労移行支援に通うための費用が必要なこともありますが、ほとんどの場合は『無料』とのことです(支援員に聞きました)。

就労移行支援は本当に意味ないのか聞いた(うつ症状編)

就労移行支援ってやっぱり意味ないんじゃないの?

そう思った人も多いはず。

しかーし!!!

そう思ったあなたにこそ、ここから読んでほしいです。

事件は現場でおきている、ならば現場に行って解決しようではないか←

ということで……就労移行支援は本当に意味ないのかを突撃取材しようと思います!

※こんな言い方したら出禁確実

今回は、誕生日に梅田からお送りしますじんとです(ガチ)。

取材日(7月29日)が誕生日でした
取材日(7月29日)が誕生日でした笑

今回は高い定着率(91%)の実績がある、atGPジョブトレの「うつ症状コース」と「発達障害コース」を担当するお二方に、リアルな話を聞いてきました。

早速「うつ症状コース」から始めましょう。

担当のSさん(仮名)にお話をうかがいます。

じんと:よろしくお願いします!

Sさん:よろしくお願いします!

意味ないと思わせない工夫の数々

じんと:うつ病の支援で心がけていることとかありますか?

Sさん:何といっても「コミュニケーションを取りやすい雰囲気」ですね。生活リズムを整えて、就労移行支援事業所に「毎日来る」ということが第1の目標ですから。「行きたい!安心できる!」と思ってもらうように意識してますね。

じんと:体調を安定させて、週5フルタイムで何かをするっていうのが、うつ病から復帰する第1関門ですからね。

Sさん:ただし、私が心がけているのは「先生じゃない」ということです。

じんと:といいますと……?

Sさん:「先生と生徒」のような関係だと、社会復帰した後に困るじゃないですか。上司は先生ではないし、部下は生徒でもない。

じんと、驚きを隠せない

画像挿入

Sさん:そこのギャップがあると働いてからしんどくなってしまうので、「先生にならない」ということを日ごろから意識しています。

じんと:「教わる」とか「従う」ではなく「一緒に仕事を進める」ということですね。それに上司だと自分の意見や考えを出してもいいですし。他に何か心がけていることとかありますか?

Sさん:うつ症状コースの場合は「症状ごとに支援を分けること」ですね。「うつ症状コース」はうつ病専門ではなく、双極性障害や統合失調症の利用者もいて。必要なサポートは微妙に変わってくるんですよ。

じんと:ぼく自身もうつ病を経験しましたけど、双極性障害や統合失調症の人がどんなことに困っているのかと聞かれたら、正確に答えられる自信ないです……。

自信がありません

Sさん:例えば、双極性障害は「ハイ」と「ロー」が激しくて、「ハイ」のときは喧嘩腰になったり散財をしたり、大酒を飲んだりすることがあります(個人差あり)。atGPジョブトレでは、生活面での状況を聞いたりアドバイスをしたりします。

じんと:なるほどですね……。ただ、全部の特徴や知識を頭に詰め込むとなるとかなり大変じゃないですか?

Sさん:そうですよね。しかし、atGPジョブトレでは「チーム支援」ができる仕組みが整っています。例えば「双極性障害」について詳しい職員に聞いて、どういう支援をしたら良いかをすぐに知れることとか。また、転職エージェントのアットジーピー【atGP】が隣にあるので、就職について相談することもできますね。

じんと:担当別になっている、といいますか。それぞれの得意分野を集めると自分以上の力を発揮できますからね。ところで、就職に関する支援で力を入れていることはありますか?

Sさん:何といっても「定着支援」ですね。もちろん再発しないで長く利用者が働き続けるためにも必要です。しかし、もう1つ定着支援をする大きな意味があるんです。

じんと:……お金になる(ゲス顔)

お金になる

Sさん:じゃなくて(笑) 企業さんにとって「障害者雇用そのものの評価」が上がるんです。

じんと:たしかに、障害者雇用に二の足を踏んでいる企業はまだまだ多いですもんね……。

Sさん:そうなんですよ。1番目指しているのは「障害者枠で入社した、〇〇さんはよくやっている」と思ってもらうことです。企業に「いいな」と思わせることで、障害者雇用に積極的になってもらおうと考えています。

じんと:法律や制度で決まっているとはいえ、成功事例があると「仕方なし感」が減りますよね。

Sさん:そうなんです。一般雇用でもそうですけど、早期で退職してほしくないわけじゃないですか。そこで企業は障害者雇用枠を増やすとなれば、「〇〇さんと同じatGPジョブトレ出身の人を取ろう」と思うわけです。

じんと:ある意味ヘッドハンティング!!とはいえ、後輩たちにとっては就職先の選択肢が増える……つまり、利用者みんなが社会復帰しやすくなると!

Sさん:そういうことです。

じんと:卒業生も企業も利用者もみんな嬉しい。三方よしですね(違う)。

最後にメッセージ、お願いします!

Sさんからは、うつ症状ならではの支援の難しさや、就労移行支援と障害者雇用のリアルを聞くことができました。

就労移行支援に通う大きな意味は「就職先の選択肢が増える」こと。

生活リズムを整えたり客観的なアドバイスがもらえたりしやすいので、自分で就職活動を進めるよりもはるかに社会復帰しやすいです。

それだけでなく、企業が転職エージェント以上に信頼を置いていたり、OB・OGとのつながりがあったりするので単純に求人数が多いのも魅力。

(この話は、企業人事にもインタビューしました。後日公開するのでお楽しみに!)

最後にSさんから、就労移行支援に行くか悩む人へ、こんなメッセージを頂きました。

「人生は長いです。就労移行支援に通うと『1年近くは卒業できない』と不安になるかもしれません。しかし、体調はもちろんのこと、キャリアや生涯賃金を踏まえても『長期就労』が1番!健康に長く働きたい人は、ぜひ見学に来てください」

終始和やかにインタビューを進めることができました!ありがとうございます!

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▼うつ症状コースのプログラムを受けた体験談はこちら!

関連記事:atGPジョブトレ うつ症状コースの体験談!うつ病当事者が受けてみた

就労移行支援は本当に意味ないのか聞いた(発達障害編)

就労移行支援は本当に意味ないのか聞いた(発達障害編)

とはいえ、就労移行支援は発達障害だと意味ないんじゃないの?

こんなことを感じる人もいるかもしれません。

しかし、発達障害の人が就労移行支援に通う意味は十二分にあります!

なぜ通う意味があるのか、発達障害コース担当のKさんにお話をうかがいながら見ていきましょう。

じんと:よろしくお願いします。

Kさん:よろしくお願いします。

受け入れられる経験が「生きづらさ」を『特性』に変える

じんと:早速ですが、利用者と接するときに心がけていることはありますか?

Kさん:なんといっても「信頼関係を築く」ことです。例えば「話が長い」という人がいても、入所してから1か月は強く注意しないようにしています。

じんと:誰かに受け入れられる経験が少ないからこそ、まずは「安心できる場所づくり」が大事ですよね。とはいえ、直さないといけないこともあるんじゃないですか?

Kさん:ありますね。特に「我の強い人」はアドバイスしても聞いてくれないことが多いです。そういう時は「面談」で話を聞いて、少しずつ寄せていくようにしています。

じんと:難しいところですが……「自分の意見がある」ということは一種の強みでもありますもんね。「意見など全くない、もしくはあるけど言わない」という人も多いですから。

意見など言いません

じんと:ところで、atGPジョブトレに発達障害の人が通うメリットはありますか?

Kさん:もちろんあります。特に『自己理解を深める』ことは社会復帰には欠かせません。atGPジョブトレでは「自己探究プログラム※」を通じて、第3者の目線で自分の特性を理解できます。

※自己探究プログラム…グループワークを通じて、自分の障害や特性の理解を深める活動

じんと:特性を自分で理解していなかったら「生きづらさを抱えたまま」になりますもんね。そして2次障害のうつ病や適応障害になってしまう。

Kさん:まさにその通りです。特性の理解ももちろん大事ですが、プログラムを通じて『対処法』を学ぶことはもっと重要です。

じんと:資格試験の勉強とかと一緒ですね。テキスト読んで理解しただけでは合格できず、問題を解いて理解を深めることが大切ですし。

Kさん:その通りです。そして就労移行支援で実践的に学んだ対処法は、社会復帰してからも思い出しやすい。

じんと:自分で積極的に取り組んだことだと、記憶に残りますからね。

実践的に学べます

じんと:ところで、発達障害の雇用で課題に感じていることはありますか?

Kさん:「障害者枠」をあまり知らないという企業が多いことですね。じんとさんは「ダイバーシティ」という言葉を知ってますか?

じんと:お台場にある商業施設ですかね?

室内温度が5度下がりました←

部屋が寒い

Kさん:ダイバーシティというのは「一人ひとりの違いを受け入れたり認めたりしながら働くこと」です。ただ、なんとなくやらなきゃいけないなと思っているけど、取り入れまでは至っていない企業も多い。

じんと:障害者枠は法律で割合が決まっているけど(2.3%)、下回っている企業もたくさんありますからね。

Kさん:そうなんです。あと、なんとなく身体障害のイメージを持っている企業さんも多いです。発達障害や精神障害もあるんだよと、企業さんに情報共有が必要かなと。

じんと:たしかにまだまだ浸透していないですもんね。精神障害が障害者枠に入ったのも2018年とかですし。

Kさん:ですね。これから頑張っていきます!

最後にメッセージ、お願いします

Kさんからは、発達障害特有の「生きづらさ」と向き合える環境を作ることはもちろん、生きづらさを減らす「安心感」についても紹介しました。

就労移行支援に発達障害の人が通うメリットは「障害特性の理解」、これに尽きます。

ぼくも以前に「自己探究研修」を体験しましたが、グループワークを通じて客観的な意見をもらえたり、自分の得意を見つけたりすることで社会復帰を成功させやすくなるのかなと感じています。

また、今まで学校や職場で「マイノリティ」として苦しんできたからこそ、『自分らしさを認めてもらえる環境がある』ことが自信につながるはず。

最後にKさんからのメッセージを紹介して締めたいと思います。

「就労移行支援は、社会に出るときに背中を押す『お役立ちツール』です。会社に出ても特性や症状に苦しむ場面がゼロとはいえません。ただ、何かあったときでも就労移行支援で習ったことを思い出すことができれば、きっとラクになれるはず。社会復帰へのワンクッションとして検討してみてください!」

……じんとがなぜか目頭が熱くなる、そんなメッセージでした。

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▼イチオシプログラム【自己探究研修】の体験談はこちら

関連記事:リンクビーは評判通り?ASDグレーゾーンの当事者が体験してきた

まとめ:就労移行支援が意味ないと言い切る前に見学を

この記事では、就労移行支援が意味ないと感じる人がいる理由と実態を紹介しました。

就労移行支援が意味ないと感じる人がいる理由は

  • プログラムの内容が簡単すぎる
  • 就職はおろか仕事の紹介すらない
  • 給料がないし時間のムダ

の3つです。

しかし、プログラムは事業所によってレベルが違いますし、「1年前後かけて就職に向けたトレーニングを行う場所」という前提を勘違いしている人も多いのではないでしょうか。

そして、本当に意味ないかどうかは、複数の事業所への見学して判断するのがおすすめ!

受験や就活でも第1志望、第2志望とあったように、いくつかの就労移行支援を比較検討しましょう。

当ブログでも【うつ病や発達障害におすすめの転職エージェントや就労支援は?当事者が徹底解説】の記事で、おすすめのサービスを紹介しています。

よかったら読んでみてくださいね( ˘ω˘ )

最後になりますが、長きに渡る取材を快く引き受けてくださった【atGPジョブトレ】には感謝でしかありません。

ぼくが行くたびにスタッフ、利用者問わず声をかけてくださることが多く、温かい事業所だと行くたびに感じています!

ほんとうにありがとうございました!!

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